>>19つづき労働時間 国が制限を 少子化問題に詳しい、経済評論家の勝間和代さんに聞いた。 ◇ ――以前から少子化について積極的に発言し、「にっぽん子育て応援団」の活動にも取り組んできた。 「将来にわたって、豊かな暮らしを維持していくためには、少子化は克服すべき課題です。私たちの世代は良かったけど、子どもたちの世代は貧乏でいい、という考え方には賛同できません」 ――自身も働きながら、3人の娘さんを育てた。 「年の離れた姉が子育てと職業の両立に苦労しているのを見て、高校生のころからどう生きるべきか考えていました。私は、だらだらと職場にいる必要がない外資系の企業を選んだので、何とかやりおおせました。『長く働く社員は能力がない。長く働かせる上司も同様』という考え方が徹底していました。3人目はさすがに手いっぱいで、母に同居してもらいましたが」 ――少子化対策では、何が最も重要と考えるか。 「やはり長時間労働と非正規雇用が問題です。日本の企業は、長く職場にいないと非公式な情報のやりとりから外されるなど、非合理な仕組みに支配されています。横並び意識による過当競争も多く、子育ての大きな障害になっています。また、低賃金の非正規雇用では、結婚や子育てが難しいのは統計的にもはっきりしています。『短時間正社員』の働き方を普及させる必要があります」 ――問題点は分かっていても改善が進まない。 「一つの企業や一つの職場で変わろうとしても限界があるので、国の施策として厳しく労働時間を制限すべきです。また、雇用を改善するにはやはり景気が良くならなければダメです。少子化対策は、経済対策と不可分です」 ――国全体で変わっていかなければいけない。 「長時間労働を是正するには、まず永田町や霞が関から。一年中休みなく地元まわりを強いられる国会議員や、毎日夜中まで働かされる官僚の働き方をまず変える。首相が『9時〜5時』で帰宅すれば、がらりと変わります。今の若者は働き方に対する感覚が旧世代とは全く違うので、いずれよい方向に進んでいくと確信しています」 ――産み育てにくい東京に人が集まってしまうことも問題だ。 「都会の子育て環境を改善するのは簡単ではありません。そういう意味では、地方に住む女性が3人目、4人目を産んでくれるように導くことも重要です」 ――若い女性に向けてアドバイスを。 「就活の際、労働時間の管理や、女性の活用に力を入れているかどうかをチェックするといいです。そういう企業は必ず伸びます」(聞き手・社会保障部 岡部匡志)読売プレミアムhttp://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150606-118-OYTPT50249
>>19つづき
労働時間 国が制限を
少子化問題に詳しい、経済評論家の勝間和代さんに聞いた。
◇
――以前から少子化について積極的に発言し、「にっぽん子育て応援団」の活動にも取り組んできた。
「将来にわたって、豊かな暮らしを維持していくためには、少子化は克服すべき課題です。私たちの世代は良かったけど、子どもたちの世代は貧乏でいい、という考え方には賛同できません」
――自身も働きながら、3人の娘さんを育てた。
「年の離れた姉が子育てと職業の両立に苦労しているのを見て、高校生のころからどう生きるべきか考えていました。私は、だらだらと職場にいる必要がない外資系の企業を選んだので、何とかやりおおせました。『長く働く社員は能力がない。長く働かせる上司も同様』という考え方が徹底していました。3人目はさすがに手いっぱいで、母に同居してもらいましたが」
――少子化対策では、何が最も重要と考えるか。
「やはり長時間労働と非正規雇用が問題です。日本の企業は、長く職場にいないと非公式な情報のやりとりから外されるなど、非合理な仕組みに支配されています。横並び意識による過当競争も多く、子育ての大きな障害になっています。また、低賃金の非正規雇用では、結婚や子育てが難しいのは統計的にもはっきりしています。『短時間正社員』の働き方を普及させる必要があります」
――問題点は分かっていても改善が進まない。
「一つの企業や一つの職場で変わろうとしても限界があるので、国の施策として厳しく労働時間を制限すべきです。また、雇用を改善するにはやはり景気が良くならなければダメです。少子化対策は、経済対策と不可分です」
――国全体で変わっていかなければいけない。
「長時間労働を是正するには、まず永田町や霞が関から。一年中休みなく地元まわりを強いられる国会議員や、毎日夜中まで働かされる官僚の働き方をまず変える。首相が『9時〜5時』で帰宅すれば、がらりと変わります。今の若者は働き方に対する感覚が旧世代とは全く違うので、いずれよい方向に進んでいくと確信しています」
――産み育てにくい東京に人が集まってしまうことも問題だ。
「都会の子育て環境を改善するのは簡単ではありません。そういう意味では、地方に住む女性が3人目、4人目を産んでくれるように導くことも重要です」
――若い女性に向けてアドバイスを。
「就活の際、労働時間の管理や、女性の活用に力を入れているかどうかをチェックするといいです。そういう企業は必ず伸びます」(聞き手・社会保障部 岡部匡志)
読売プレミアム
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150606-118-OYTPT50249