>>18つづき生涯未婚男女で急増 年収300万円、結婚の壁 ■背 景 出生数の低下に影響しているのが、未婚者の増加だ。50歳まで、結婚の経験のない人の割合を示す「生涯未婚率」をみると、1980年には男性で2・60%、女性で4・45%だったが、2010年には、男性で20・14%、女性で10・61%と、大幅に上昇した。 結婚相手紹介サービス「ツヴァイ」が全国の独身男女1077人に実施した2014年インターネット調査によると、結婚へのハードルについて、自らの収入とする人が55%で最も多かった(複数回答)。一方、女性の39%が、「収入」を結婚相手に求めると答えており、男性の経済力に期待する女性の意識が、結婚しようという男性の決断を鈍らせている。 調査では、年収300万円を境目に、結婚の壁が存在することもわかった。ツヴァイの相談員は「女性は仕事で活躍できる場が広がり、収入の少ない男性との結婚にメリットを感じなくなっている」と指摘する。 さらに、家族の平均的な子どもの数も低下している。女性が第1子を出産する平均年齢は、1980年の26・4歳から、30・6歳(2014年)に上昇しており、年齢を理由に、第2子、第3子の出産に至らない夫婦も増えている。 背景には、出産、育児が仕事に差し支えるといった労働環境の問題や、保育園などの子育て支援体制が不十分といった事情もある。例えば、フランス、スウェーデンでは長時間労働をする女性の割合が日本よりも低い。両国とも婚外子の割合が高いなどの違いはあるが、「少子化が進むのは、日本の職場が産み育てやすい環境になっていないため」との指摘も多い。東京集中 是正目指す ■対 策 政府は昨年12月、「2060年に1億人程度の人口維持」を掲げ、今後5年間に行う人口減対策と、地方活性化策を柱とした「総合戦略」を閣議決定した。全国の自治体が、具体的な施策や数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略づくりを進めている。 旗印にするのが、「東京一極集中」の是正だ。地方から人口が流入する大都市部は出生率が顕著に低い。東京の出生率は1・15(2014年)で全国平均の1・42を大きく下回る。 国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、大都市部に居住していた女性に比べ、地方から大都市部に移動した女性は結婚しても、子どもの数が少ない傾向がある。さらに、大都市に移った若い女性は男性に比べても、地元にUターンする割合が低い。 政府の地方活性化策は、子どもを産み育てにくい大都市部に若い世代が流入し、全国の出生率を押し下げる悪循環を解消するとともに、水道などの生活基盤や、教育、社会保障などの行政サービスを将来にわたって維持するのが狙いだ。 すでに、高知県、京都府京丹後市などが、地方版総合戦略を策定した。高知県の総合戦略は、県外からの移住促進や、20、30歳代の未婚率減少を目標に掲げ、男女の出会いの場作りや不妊治療への支援、子育てしやすい環境の整備などの施策を盛り込んでいる。
>>18つづき
生涯未婚男女で急増 年収300万円、結婚の壁
■背 景
出生数の低下に影響しているのが、未婚者の増加だ。50歳まで、結婚の経験のない人の割合を示す「生涯未婚率」をみると、1980年には男性で2・60%、女性で4・45%だったが、2010年には、男性で20・14%、女性で10・61%と、大幅に上昇した。
結婚相手紹介サービス「ツヴァイ」が全国の独身男女1077人に実施した2014年インターネット調査によると、結婚へのハードルについて、自らの収入とする人が55%で最も多かった(複数回答)。一方、女性の39%が、「収入」を結婚相手に求めると答えており、男性の経済力に期待する女性の意識が、結婚しようという男性の決断を鈍らせている。
調査では、年収300万円を境目に、結婚の壁が存在することもわかった。ツヴァイの相談員は「女性は仕事で活躍できる場が広がり、収入の少ない男性との結婚にメリットを感じなくなっている」と指摘する。
さらに、家族の平均的な子どもの数も低下している。女性が第1子を出産する平均年齢は、1980年の26・4歳から、30・6歳(2014年)に上昇しており、年齢を理由に、第2子、第3子の出産に至らない夫婦も増えている。
背景には、出産、育児が仕事に差し支えるといった労働環境の問題や、保育園などの子育て支援体制が不十分といった事情もある。例えば、フランス、スウェーデンでは長時間労働をする女性の割合が日本よりも低い。両国とも婚外子の割合が高いなどの違いはあるが、「少子化が進むのは、日本の職場が産み育てやすい環境になっていないため」との指摘も多い。
東京集中 是正目指す
■対 策
政府は昨年12月、「2060年に1億人程度の人口維持」を掲げ、今後5年間に行う人口減対策と、地方活性化策を柱とした「総合戦略」を閣議決定した。全国の自治体が、具体的な施策や数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略づくりを進めている。
旗印にするのが、「東京一極集中」の是正だ。地方から人口が流入する大都市部は出生率が顕著に低い。東京の出生率は1・15(2014年)で全国平均の1・42を大きく下回る。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、大都市部に居住していた女性に比べ、地方から大都市部に移動した女性は結婚しても、子どもの数が少ない傾向がある。さらに、大都市に移った若い女性は男性に比べても、地元にUターンする割合が低い。
政府の地方活性化策は、子どもを産み育てにくい大都市部に若い世代が流入し、全国の出生率を押し下げる悪循環を解消するとともに、水道などの生活基盤や、教育、社会保障などの行政サービスを将来にわたって維持するのが狙いだ。
すでに、高知県、京都府京丹後市などが、地方版総合戦略を策定した。高知県の総合戦略は、県外からの移住促進や、20、30歳代の未婚率減少を目標に掲げ、男女の出会いの場作りや不妊治療への支援、子育てしやすい環境の整備などの施策を盛り込んでいる。