タワーマンションの階層の高さで地位が決まる…日本人の「タワマン信仰」【社会】そろそろ幻想から目覚めては?日本人の「タワーマンション信仰」が見逃していることタワマンにも睥睨する万能感があるのかhttp://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/-/img_86ad654039c1985c4575c2854882a793225261.jpg大統領誕生のおかげで警備が厳しくなったトランプタワーhttp://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/7/0/-/img_70bee724f2a765b7a64f6c88abeafdf9434471.jpg建物内カーストの心理とはhttp://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/d/3/-/img_d36c6f67c870fcf5c16b01f62c766055187157.jpg 地価の高い都心部で建設ラッシュが続くタワーマンション。日本での人気は高いが、海外では今ひとつだという。その理由とは。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が見えにくいタワマンの危険に警鐘を鳴らす。(出典:文藝春秋オピニオン 2018年の論点100)■タワマンは成功の証? 旧約聖書によると人間はその昔、天に届くほどの塔(タワー)をつくろうとして神の怒りを買い、罰として、元々ひとつであった言葉を乱されたとか。多くの日本人が英語その他の外国語の習得に苦労しなければならないのは、バベルの塔の報(むく)いなのか。 だがどうやら、日本人は彼らの子孫ではなさそうだ。なぜなら、多くの日本人はタワーマンションが大好きだからだ。タワーマンションに住むことが成功の証(あかし)であるかのような、いびつとしか思えない価値観すら浸透している。 これは日本に住んでいると当たり前のように思えるが、ヨーロッパから見るとかなり変わっている。 例えば、イギリスのチャールズ皇太子は超高層の建築物が大嫌いらしい。また、そのことを公言してはばからない。多くのイギリス人は、そんな皇太子の発言を抵抗なく受け容れているという。 2017年6月、ロンドンで起こったタワーマンション火災は日本でも大きく報道された。私のところにも「ああいうことは日本でも起こるのか?」とメディアから多くの取材があった。 しかし、あのタワーマンションが低所得者向けの公営住宅であった、という事実を素通りしてしまった人がほとんどではないか。イギリスでは日本でいうところのタワーマンションのような住宅に、富裕層は住まない。 実のところ、ヨーロッパではタワーマンションどころか高層住宅さえ珍しい。国によっては、その建設さえ法律で禁止している。少なくとも、小さな子どもを育てている家庭にふさわしい住まいだとは思われていない。彼らは、高層階に住むことは人間の健康によろしくない、という共通認識を持っているようだ。■トランプタワーの言われようは… アメリカの大都市には高層住宅がたくさんある。日本人によく知られているのは、ニューヨークのトランプタワーだ。トランプ大統領はワシントンDCのホワイトハウスよりもトランプタワーの方がお気に入りらしい。そして、アメリカ人の知識層の多くは、そんな自分たちの大統領を成金趣味だと思っている。 ハリウッド映画では、小さな子どもを育てている家庭はたいていが郊外の木造一戸建てに住んでいる。タワーマンションに住んでいる設定を見たことがない。続く
タワーマンションの階層の高さで地位が決まる…日本人の「タワマン信仰」
【社会】そろそろ幻想から目覚めては?日本人の「タワーマンション信仰」が見逃していること
タワマンにも睥睨する万能感があるのか
http://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/-/img_86ad654039c1985c4575c2854882a793225261.jpg
大統領誕生のおかげで警備が厳しくなったトランプタワー
http://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/7/0/-/img_70bee724f2a765b7a64f6c88abeafdf9434471.jpg
建物内カーストの心理とは
http://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/d/3/-/img_d36c6f67c870fcf5c16b01f62c766055187157.jpg
地価の高い都心部で建設ラッシュが続くタワーマンション。日本での人気は高いが、海外では今ひとつだという。その理由とは。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が見えにくいタワマンの危険に警鐘を鳴らす。(出典:文藝春秋オピニオン 2018年の論点100)
■タワマンは成功の証?
旧約聖書によると人間はその昔、天に届くほどの塔(タワー)をつくろうとして神の怒りを買い、罰として、元々ひとつであった言葉を乱されたとか。多くの日本人が英語その他の外国語の習得に苦労しなければならないのは、バベルの塔の報(むく)いなのか。
だがどうやら、日本人は彼らの子孫ではなさそうだ。なぜなら、多くの日本人はタワーマンションが大好きだからだ。タワーマンションに住むことが成功の証(あかし)であるかのような、いびつとしか思えない価値観すら浸透している。
これは日本に住んでいると当たり前のように思えるが、ヨーロッパから見るとかなり変わっている。
例えば、イギリスのチャールズ皇太子は超高層の建築物が大嫌いらしい。また、そのことを公言してはばからない。多くのイギリス人は、そんな皇太子の発言を抵抗なく受け容れているという。
2017年6月、ロンドンで起こったタワーマンション火災は日本でも大きく報道された。私のところにも「ああいうことは日本でも起こるのか?」とメディアから多くの取材があった。
しかし、あのタワーマンションが低所得者向けの公営住宅であった、という事実を素通りしてしまった人がほとんどではないか。イギリスでは日本でいうところのタワーマンションのような住宅に、富裕層は住まない。
実のところ、ヨーロッパではタワーマンションどころか高層住宅さえ珍しい。国によっては、その建設さえ法律で禁止している。少なくとも、小さな子どもを育てている家庭にふさわしい住まいだとは思われていない。彼らは、高層階に住むことは人間の健康によろしくない、という共通認識を持っているようだ。
■トランプタワーの言われようは…
アメリカの大都市には高層住宅がたくさんある。日本人によく知られているのは、ニューヨークのトランプタワーだ。トランプ大統領はワシントンDCのホワイトハウスよりもトランプタワーの方がお気に入りらしい。そして、アメリカ人の知識層の多くは、そんな自分たちの大統領を成金趣味だと思っている。
ハリウッド映画では、小さな子どもを育てている家庭はたいていが郊外の木造一戸建てに住んでいる。タワーマンションに住んでいる設定を見たことがない。
続く