【コストダウンの正体】 なぜ賃金は上がらない?/人手不足倒産の原因世の中には、人手不足と低賃金が両立してしまう分野がある。介護や警備、海運などだ。なぜ労働の供給が足りないのに価格(=賃金)が上がらないかといえば、労働市場は「自由な市場」ではなく、需要と供給による価格調整のメカニズムが働かないからだ。以前の記事に書いたとおりだ。しかし、以前の記事では「低賃金が解決しない理由」は充分に説明していなかった。どうして企業は、人手不足にもかかわらず賃金を上げようとしないのだろう?いわゆる「人手不足倒産」のような現象が起きるのはなぜだろう?■賃金を回収できるとは限らない会計の観点からいえば、「人手不足倒産」が起きる理由は、その会社の事業が「詰んでいる」からとしか言いようがない。人件費を支えられるほどの売上を確保できない、つまり投入したコストに対して充分な収益が得られない、ひとことで言えば生産性が低すぎる会社だから、人手不足で倒産する。「人手不足なら賃金を上げればいい」と無邪気に言う人は、供給サイドが物の価格を決めるという古い発想を(おそらく無自覚に)持っている。賃金を上げたぶん人件費が高騰するが、それをそのまま商品の価格に転嫁できると素朴に信じているのだ。残念ながら、その発想は間違っている。商品の価格は需要と供給で決まる。人件費がどれだけ高騰しようと、顧客(=需要側)には関係ない話だ。人件費を商品の価格に転嫁できるとは限らない。値上げをすれば、普通は、そのぶん売上数量が減る。値上げをしたぶん収益が増えるとは限らないし、最悪の場合は減ってしまうかもしれない。だから、人件費を上げても商品の価格に転嫁できない(場合が多い)。にもかかわらず、賃金水準は社会全体の景気に左右される。売上を伸ばす余地がなく、かつ、他の部分で経費削減する余地もない企業の場合、賃金水準が高騰すると人手不足を解消できなくなり、事業を継続できなくなる。(以下抜粋)■どうすれば非生産的な産業を救えるか?どんな産業も、勃興した直後はブルーオーシャンだ。あまり費用をかけずにジャブジャブと儲かる。ところが新規参入が増えるにつれてレッドオーシャンと化していき、生産性が低くなる。とくに、損益分岐点の売上数量がごく小さく、その生産技術を誰でも使うことができて、なおかつ新規参入と退出が自由な分野は、やがて「産業の長期均衡」に到達してしまう。超過利潤がゼロになってしまう。おそらく介護や警備、牛丼チェーン、引っ越し業などの分野は、長期均衡に近づいている業界なのではないか。競争の激化により利益が薄くなり、人件費を引き上げることができない水準まで生産性が悪化しているのだろう。海運については事情に暗いのでよく分からないが、似たような状況が生じているのかもしれない。すでに書いたとおり、生産性があまりにも低い事業では、人件費を吸収できずに人手不足倒産に至る可能性がある。では、どうすれば生産性を高めることができるのだろう。このような産業を救う手立てはないのだろうか?経済史の観点からいえば、生産性の低い産業を救う方法は機械化しかないということになってしまう。そもそも「生産性が高くなる」というのは、歴史的に見れば、労働を資本(=機械)に置き換えることとほぼ同義だ。機械の使用が少なく、労働の使用が多い社会ほど貧しい。反対に、労働者1人に対する機械の使用量が多い社会ほど豊かだ。全文はソース元へハフィントンポスト 投稿日: 2016年08月29日 15時38分 JST 更新: 2016年08月29日 15時38分 JSThttp://www.huffingtonpost.jp/rootport/japan-workstyle_b_11756728.html
【コストダウンの正体】 なぜ賃金は上がらない?/人手不足倒産の原因
世の中には、人手不足と低賃金が両立してしまう分野がある。介護や警備、海運などだ。
なぜ労働の供給が足りないのに価格(=賃金)が上がらないかといえば、労働市場は「自由な市場」ではなく、需要と供給による価格調整のメカニズムが働かないからだ。
以前の記事に書いたとおりだ。
しかし、以前の記事では「低賃金が解決しない理由」は充分に説明していなかった。どうして企業は、人手不足にもかかわらず賃金を上げようとしないのだろう?
いわゆる「人手不足倒産」のような現象が起きるのはなぜだろう?
■賃金を回収できるとは限らない
会計の観点からいえば、「人手不足倒産」が起きる理由は、その会社の事業が「詰んでいる」からとしか言いようがない。
人件費を支えられるほどの売上を確保できない、つまり投入したコストに対して充分な収益が得られない、ひとことで言えば生産性が低すぎる会社だから、人手不足で倒産する。
「人手不足なら賃金を上げればいい」と無邪気に言う人は、供給サイドが物の価格を決めるという古い発想を(おそらく無自覚に)持っている。
賃金を上げたぶん人件費が高騰するが、それをそのまま商品の価格に転嫁できると素朴に信じているのだ。
残念ながら、その発想は間違っている。
商品の価格は需要と供給で決まる。人件費がどれだけ高騰しようと、顧客(=需要側)には関係ない話だ。人件費を商品の価格に転嫁できるとは限らない。
値上げをすれば、普通は、そのぶん売上数量が減る。値上げをしたぶん収益が増えるとは限らないし、最悪の場合は減ってしまうかもしれない。
だから、人件費を上げても商品の価格に転嫁できない(場合が多い)。にもかかわらず、賃金水準は社会全体の景気に左右される。売上を伸ばす余地がなく、
かつ、他の部分で経費削減する余地もない企業の場合、賃金水準が高騰すると人手不足を解消できなくなり、事業を継続できなくなる。
(以下抜粋)
■どうすれば非生産的な産業を救えるか?
どんな産業も、勃興した直後はブルーオーシャンだ。あまり費用をかけずにジャブジャブと儲かる。ところが新規参入が増えるにつれてレッドオーシャンと化していき、生産性が低くなる。
とくに、損益分岐点の売上数量がごく小さく、その生産技術を誰でも使うことができて、なおかつ新規参入と退出が自由な分野は、やがて「産業の長期均衡」に到達してしまう。超過利潤がゼロになってしまう。
おそらく介護や警備、牛丼チェーン、引っ越し業などの分野は、長期均衡に近づいている業界なのではないか。競争の激化により利益が薄くなり、人件費を引き上げることができない水準まで生産性が悪化しているのだろう。海運については事情に暗いのでよく分からないが、似たような状況が生じているのかもしれない。
すでに書いたとおり、生産性があまりにも低い事業では、人件費を吸収できずに人手不足倒産に至る可能性がある。では、どうすれば生産性を高めることができるのだろう。このような産業を救う手立てはないのだろうか?
経済史の観点からいえば、生産性の低い産業を救う方法は機械化しかないということになってしまう。
そもそも「生産性が高くなる」というのは、歴史的に見れば、労働を資本(=機械)に置き換えることとほぼ同義だ。機械の使用が少なく、労働の使用が多い社会ほど貧しい。反対に、労働者1人に対する機械の使用量が多い社会ほど豊かだ。
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ハフィントンポスト 投稿日: 2016年08月29日 15時38分 JST 更新: 2016年08月29日 15時38分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/rootport/japan-workstyle_b_11756728.html