>>59【社会】痴漢冤罪対策で警察官の負担増「駅前交番は地獄です」…警視庁作成「痴漢捜査マニュアル」その全容 〔現代ビジネス〕通勤時間帯、首都圏の電車では異常な光景が展開されている。 男性たちは痴漢に疑われぬよう、吊り革に両手でつかまり、高齢者を立たせてまで自らの座席を確保しようとする。 「痴漢冤罪保険」なる商品が登場し、加入者を伸ばしている。 こんな日本社会の病理を作り出す原因の一つが「誤認逮捕」、つまり問答無用で警察に逮捕されることへの恐怖だ。 報道記者として警察取材を続けてきた竹内明氏が、現場の警察官に配られた「痴漢捜査マニュアル」を独自検証する。 ■「冤罪防止」で仕事が肥大化 「駅前交番は地獄ですよ。痴漢冤罪への恐怖が社会現象となった以上、警察も慎重にならざるを得ない。痴漢対応はめちゃくちゃ大変になった」 電話をかけてきた知り合いの警察官がこう悲鳴をあげた。線路への逃走、逃走中の死亡事故。首都圏の鉄道で相次いでいる問題を受けて、現場の警察官たちの負担が増しているのだ。 5月下旬、警視庁各署に、ある文書が配布されたという。タイトルは「卑猥行為事件犯発生時における留意事項等について」。 生活安全特別捜査隊から発出されたこの通知は、A4版で10枚、内容は警察官用の「痴漢捜査マニュアル」である。 その中身は、冤罪防止のために警察官に慎重な捜査を求める内容だ。 〈 被害者供述の信用性の有無、誇張や矛盾、勘違いはないか、他に犯人となりうるものはいないか、犯罪と犯人の明白性を十分に吟味する必要性がある 〉 つまり、被害申告を鵜呑みにするのではなく、嘘や勘違いを疑いながら、様々な手段で証拠を集めよという内容だ。 その中では、痴漢事案発生時の7項目の捜査を解説している。 (1)目撃者の確保 (2)防犯カメラ映像の収集 (3)犯行再現による証拠保全 (4)被疑者、被害者の身体測定等 (5)実況見分による証拠保全 (6)被疑者の手指からの微物採取 (7)被害者の供述調書作成 たかだか7項目か――。読者の皆さんはそう思うかもしれない。 だが、事細かな解説を読むと、現場の警察官が1件の痴漢事件のために、膨大な作業をしなければならないことがよく分かる。 ■「痴漢捜査マニュアル」の中身 痴漢が発生したとき、現場に行って、被疑者の身柄を押さえるのは交番の地域課員だ。 目撃者や防犯カメラ映像があれば、被害者の主張は十分に補強できる。 だが、電車の中に防犯カメラはないし、警察官が到着したときには目撃者はいないケースが多い。 大抵、被疑者は容疑を否認する。こうなると、被疑者は署に連れて来られ、生活安全課員があらゆる捜査を尽くさねばならない。 「痴漢捜査マニュアル」では、被害者を立ち会わせ、マネキンを使って犯行再現をするよう書かれている。 〈マネキンの身長、所持品、スカートの丈の長さを忠実に再現する必要がある。被疑者の身長も合わせる〉 〈被害者・被疑者だけでなく、一般乗客との位置関係も再現する〉などと細かい方法が指示されている。 次が被疑者と被害者の身体測定だ。床から被害部位までの高さ、被疑者の指先、手首、肘、肩までの高さまでを計り、写真を撮って、報告書に記載せよとある。 そのうえで、同型の電車を借り上げて、仮想の乗客を立ち合わせ、被疑者と被害者の位置関係の計測もしなければならない。 物理的に痴漢行為が可能だったかどうかを検証するのだ。 さらに近年、痴漢捜査で使われているのが、微物採取による科学捜査だ。 「鑑識採証テープ」によって、被疑者の十指、両手のひら、手の甲、着衣から付着物を採取する。 ここに被害者の服と同じ繊維片がついていれば、被疑者はクロということになる。 捜査マニュアルには〈採証テープは15セントメートルの長さ〉〈被疑者が採取に応じなければ捜索差押許可状を得て実施〉 〈異物混入を防ぐため、採取者はゴム手袋、マスク、腕カバー、ヘアキャップを着装せよ〉〈被疑者に手を洗わせない。 手をはたかせない〉などと注意点が並んでいる。これは無論、数少ない客観証拠をより正確に確保するのが狙いだ。 http://news.livedoor.com/article/detail/13206280/
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【社会】痴漢冤罪対策で警察官の負担増「駅前交番は地獄です」…警視庁作成「痴漢捜査マニュアル」その全容 〔現代ビジネス〕
通勤時間帯、首都圏の電車では異常な光景が展開されている。
男性たちは痴漢に疑われぬよう、吊り革に両手でつかまり、高齢者を立たせてまで自らの座席を確保しようとする。
「痴漢冤罪保険」なる商品が登場し、加入者を伸ばしている。
こんな日本社会の病理を作り出す原因の一つが「誤認逮捕」、つまり問答無用で警察に逮捕されることへの恐怖だ。
報道記者として警察取材を続けてきた竹内明氏が、現場の警察官に配られた「痴漢捜査マニュアル」を独自検証する。
■「冤罪防止」で仕事が肥大化
「駅前交番は地獄ですよ。痴漢冤罪への恐怖が社会現象となった以上、警察も慎重にならざるを得ない。痴漢対応はめちゃくちゃ大変になった」
電話をかけてきた知り合いの警察官がこう悲鳴をあげた。線路への逃走、逃走中の死亡事故。首都圏の鉄道で相次いでいる問題を受けて、現場の警察官たちの負担が増しているのだ。
5月下旬、警視庁各署に、ある文書が配布されたという。タイトルは「卑猥行為事件犯発生時における留意事項等について」。
生活安全特別捜査隊から発出されたこの通知は、A4版で10枚、内容は警察官用の「痴漢捜査マニュアル」である。
その中身は、冤罪防止のために警察官に慎重な捜査を求める内容だ。
〈 被害者供述の信用性の有無、誇張や矛盾、勘違いはないか、他に犯人となりうるものはいないか、犯罪と犯人の明白性を十分に吟味する必要性がある 〉
つまり、被害申告を鵜呑みにするのではなく、嘘や勘違いを疑いながら、様々な手段で証拠を集めよという内容だ。
その中では、痴漢事案発生時の7項目の捜査を解説している。
(1)目撃者の確保
(2)防犯カメラ映像の収集
(3)犯行再現による証拠保全
(4)被疑者、被害者の身体測定等
(5)実況見分による証拠保全
(6)被疑者の手指からの微物採取
(7)被害者の供述調書作成
たかだか7項目か――。読者の皆さんはそう思うかもしれない。
だが、事細かな解説を読むと、現場の警察官が1件の痴漢事件のために、膨大な作業をしなければならないことがよく分かる。
■「痴漢捜査マニュアル」の中身
痴漢が発生したとき、現場に行って、被疑者の身柄を押さえるのは交番の地域課員だ。
目撃者や防犯カメラ映像があれば、被害者の主張は十分に補強できる。
だが、電車の中に防犯カメラはないし、警察官が到着したときには目撃者はいないケースが多い。
大抵、被疑者は容疑を否認する。こうなると、被疑者は署に連れて来られ、生活安全課員があらゆる捜査を尽くさねばならない。
「痴漢捜査マニュアル」では、被害者を立ち会わせ、マネキンを使って犯行再現をするよう書かれている。
〈マネキンの身長、所持品、スカートの丈の長さを忠実に再現する必要がある。被疑者の身長も合わせる〉
〈被害者・被疑者だけでなく、一般乗客との位置関係も再現する〉などと細かい方法が指示されている。
次が被疑者と被害者の身体測定だ。床から被害部位までの高さ、被疑者の指先、手首、肘、肩までの高さまでを計り、写真を撮って、報告書に記載せよとある。
そのうえで、同型の電車を借り上げて、仮想の乗客を立ち合わせ、被疑者と被害者の位置関係の計測もしなければならない。
物理的に痴漢行為が可能だったかどうかを検証するのだ。
さらに近年、痴漢捜査で使われているのが、微物採取による科学捜査だ。
「鑑識採証テープ」によって、被疑者の十指、両手のひら、手の甲、着衣から付着物を採取する。
ここに被害者の服と同じ繊維片がついていれば、被疑者はクロということになる。
捜査マニュアルには〈採証テープは15セントメートルの長さ〉〈被疑者が採取に応じなければ捜索差押許可状を得て実施〉
〈異物混入を防ぐため、採取者はゴム手袋、マスク、腕カバー、ヘアキャップを着装せよ〉〈被疑者に手を洗わせない。
手をはたかせない〉などと注意点が並んでいる。これは無論、数少ない客観証拠をより正確に確保するのが狙いだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/13206280/