>>126つづき■もうバブルは来ないインバウンド需要を過大に評価して、過剰な設備投資を行ったところは、業績が低迷している。その代表がラオックスだ。同社の関係者が言う。「今では販売員もほとんど中国人で、中国人観光客の専門店と言ってもいい状況です。ラオックス銀座本店も観光バスが停まった直後はお客さんで溢れ返るものの、彼らが帰ってしまうと店内が静まり返る状況です」ラオックスが発表した今年度第1四半期(1月~3月)の決算は、売上高こそ微増だったものの、営業利益と経常利益はともに前年同期比で8割超減少する深刻なものとなっている。もちろん、銀座の街には今も外国人観光客が大勢闊歩している。だが、彼らはもう「爆買い」の原動力とはなりえない。経済評論家の山崎元氏は最近、銀座を歩いてみてこんなことに気づいた。「銀座の表通りは相変わらず、日本人よりも中国人観光客のほうが多いくらいでした。ただ、銀座でたくさん買い物をしている様子はありません。どうも最近は、中国人観光客の行動が少し変化しているように思います。以前は買い物がメインだったのが、最近は観光がメインになり、表通りだけでなく、裏通りを歩いたりしている。銀座の裏通りに私がよく行く喫茶店があるのですが、以前は見かけなかった中国人観光客の姿を最近見かけるようになりました。ある時はカウンターにズラッと中国人が並んでいて、喫茶店の店員が少しうんざりした顔つきで彼らを見ていたことが印象的です」中国人の「爆買い」は、いっときだけ百貨店を潤した「バブル」だった。にもかかわらず、百貨店は巨額の設備投資で中国人シフトを敷いてしまったがために、すぐには方向転換ができない。今も店の前を通る中国人観光客にすがり、媚を売っている。そんな姿を見て、日本人はますます白け、離れていく。前出の保田氏が言う。「『爆買い』はもともと日本人向けに販売していた商品が偶然、中国人にたくさん売れたということにすぎなかったんです。そのバブルが終わったのに、中国人に向けて再びバブルを起こそうとしても無理な話。中国人観光客をアテにせず、地道に日本人の顧客向けに商品を開発し、販売していくことが百貨店ビジネスの王道なのですが……」先を見越して、新しいマーケットを生み出していくことが商売の鉄則だ。今さら、日本のお客さんをもっと大事にしておけばよかったと悔やんでも、もう遅い。銀座の高級デパートの低迷は、しばらく続きそうだ。「週刊現代」2016年7月9日号よりhttp://news.livedoor.com/article/detail/11738322/http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49052
>>126つづき
■もうバブルは来ない
インバウンド需要を過大に評価して、過剰な設備投資を行ったところは、業績が低迷している。その代表がラオックスだ。同社の関係者が言う。
「今では販売員もほとんど中国人で、中国人観光客の専門店と言ってもいい状況です。ラオックス銀座本店も観光バスが停まった直後はお客さんで溢れ返るものの、彼らが帰ってしまうと店内が静まり返る状況です」
ラオックスが発表した今年度第1四半期(1月~3月)の決算は、売上高こそ微増だったものの、営業利益と経常利益はともに前年同期比で8割超減少する深刻なものとなっている。
もちろん、銀座の街には今も外国人観光客が大勢闊歩している。だが、彼らはもう「爆買い」の原動力とはなりえない。経済評論家の山崎元氏は最近、銀座を歩いてみてこんなことに気づいた。
「銀座の表通りは相変わらず、日本人よりも中国人観光客のほうが多いくらいでした。ただ、銀座でたくさん買い物をしている様子はありません。
どうも最近は、中国人観光客の行動が少し変化しているように思います。以前は買い物がメインだったのが、最近は観光がメインになり、表通りだけでなく、裏通りを歩いたりしている。
銀座の裏通りに私がよく行く喫茶店があるのですが、以前は見かけなかった中国人観光客の姿を最近見かけるようになりました。
ある時はカウンターにズラッと中国人が並んでいて、喫茶店の店員が少しうんざりした顔つきで彼らを見ていたことが印象的です」
中国人の「爆買い」は、いっときだけ百貨店を潤した「バブル」だった。にもかかわらず、百貨店は巨額の設備投資で中国人シフトを敷いてしまったがために、すぐには方向転換ができない。
今も店の前を通る中国人観光客にすがり、媚を売っている。そんな姿を見て、日本人はますます白け、離れていく。
前出の保田氏が言う。
「『爆買い』はもともと日本人向けに販売していた商品が偶然、中国人にたくさん売れたということにすぎなかったんです。そのバブルが終わったのに、中国人に向けて再びバブルを起こそうとしても無理な話。
中国人観光客をアテにせず、地道に日本人の顧客向けに商品を開発し、販売していくことが百貨店ビジネスの王道なのですが……」
先を見越して、新しいマーケットを生み出していくことが商売の鉄則だ。今さら、日本のお客さんをもっと大事にしておけばよかったと悔やんでも、もう遅い。銀座の高級デパートの低迷は、しばらく続きそうだ。
「週刊現代」2016年7月9日号より
http://news.livedoor.com/article/detail/11738322/
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49052