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>>143 続き 多少中略 さて、佐藤さんの次にスピーチしたのは、住まいを失った人にシェルター提供などをしている「つくろい東京ファンド」の大澤さん。彼も学生だ。彼は支援の現場の話として、ネットカフェ難民の男性の話を紹介した。住む場所を失い、アパートに移りたいものの住所がないと就活もできない。低賃金の日雇いの仕事で食いつなぐものの、毎日のネットカフェ代に消えてしまう。そんな生活をしていると「自分がなんのために生きているのかわからなくなる」という。 そんな男性は、5年前の3・11の時もネットカフェにいたそうだ。東京でもひどい揺れに襲われたあの瞬間、あちこちで見知らぬ人同士が声をかけあう光景が見られた。が、彼のいたネットカフェでは、誰一人として声をかけあう人はいなかったという。周りにたくさんの人がいるにもかかわらずだ。そうして彼も、誰かに声をかけることができなかった。その時、彼は「本当に自分は一人なんだ」と感じたという。 「家がないことは、その人から仕事を奪います。希望を奪います。そしてその人を孤独にさせます」 大澤さんは家を「当たり前の生活をするためのチケット」と定義し、「誰でもチケットを持てるような社会を作っていきたい。一緒に声を上げていきましょう!」と締めた。 そうしてサウンドカーに立ったのはAEQUITASの原田さん。彼が東京の家賃の高さと住環境の劣悪さを訴えると、その次に、住宅問題に取り組む弁護士の林治氏がマイクを握った。 日々、「家賃払うのが大変」「住宅ローンを払えなくなってしまった」という相談を受けてきた林弁護士が触れたのは、脱法ハウスの問題。脱法ハウスとは、事務所や倉庫を住居として貸し出している場所のこと。2畳3畳に仕切られただけの狭いスペースに、5万、6万円払って住んでいる人々。なぜ、そんな劣悪な場所に住むのか。敷金礼金が用意できないなどの事情もあるわけだが、林弁護士の言った理由に納得した。 「この方々は、次に仕事をする場所がどこだかわからない。3ヶ月間はこの会社だけど、4ヶ月目以降はわからない」 だからこそ、そのような場所に住まざるを得ないのだ。雇用の不安定化が、住む場所をも不安定化させている。ちなみに住宅手当は、このような「準ホームレス」である脱法ハウス住まいの人々にこそ必要だと思うのだが、彼らは対象とはならない。多くの人は働いていて、「離職者」ではないからだ。使い勝手が悪いとは、このような理由である。 そうしてこの日、スピーチのトリを飾ったのは「ハウジングファースト」という言葉をこの国に広めた第一人者、もやいの稲葉剛氏。 稲葉氏は、新宿で20年前から野宿者支援を続けてきた経緯を振り返る。バブル崩壊によって仕事を失い、路上に追い込まれた人々。新宿西口にできた段ボールハウス村。しかし、そこからも野宿の人々を排除した東京都。 「私は現場にいましたが、多くの人たちの反応は冷たかった。仕事がなくなってホームレスになる。そして路上からも追い出されてしまう。そういうことが自分の身に起こるとは、当時はほとんどの人が思いませんでした。しかしこの20年間で、私たちの社会はどうなったか。私は20年間、住まいを失った人たちの相談支援を行なってきましたが、10年ちょっと前から、20代30代の若い人の相談にのることが多くなりました」 「かつてはごく一部の日雇い労働者の人の問題だった”住まいを失う”という問題が、若い人にまで広がっている。今、沿道を歩いている人にもいつ起きてもおかしくないんです」 以下略 ハフィントンポスト(2016年6月15日「雨宮処凛がゆく!」より) http://www.huffingtonpost.jp/karin-amamiya/rent-demonstration_b_10493580.html
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